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コラム

2024年2月16日

電子帳簿保存法について

|2024年1月より完全義務化



■ 電子帳簿保存法とは?

帳簿や税務書類のペーパーレス化を促進するために、各税法で原則として紙での保存が義務づけられている 帳簿書類について、一定の要件を満たした上で電子データによる保存を可能とすること、および電子的に授受 した取引情報の保存義務等を定めた法律です。


1998 年に制定、その後何度かの法改正が行われ、2022年1月に大幅に改正されました。(2022年1月1日~ 2023 年12月31日まで宥恕期間とされました)



■ 目的は?

・経理業務のペーパーレス化を促進。

・業務効率および企業の生産性を向上。

・手作業計算による人為的ミスの削減や会計監査および税務調査に関する準備の低減。



■ 電子帳簿保存の義務化に応じなかった場合はどうなる?


・特に悪質だと判断された場合などにおいて、青色申告の承認を取り消される可能性があります。

… 現在、青色申告では最大65万円の特別控除を受けることができますが、承認取り消しとなってしまうと控除が受けられ ず、税負担が増大する懸念があります。


・必要な帳簿や関係書類がない場合には、追徴課税や推計課税が課される可能性あります。 … 本来納めるべき税額よりも高額な税金を支払うことにもなりかねません。



■ 電子帳簿保存法に備えるべき対象者は?


すべての法人および個人事業主です。




2024年1月1日以降にすべき対応は、大きく3つに区分されています

ご自身で最初から一貫してパソコ ン等で電子的に作成した帳簿や国 税関係書類。帳簿、仕分帳、現金出納帳、売掛金台帳、 固定資産台帳、売上帳など 。紙で受領・作成した決算関係書類を 除く国税関係書類 。棚卸表、賃借対照表、損益計算書、注文書、 契約書、領収書、請求書など 。電子的(電子メール、クラウドサー ビスなど)に授受した取引情報 。注文書、契約書、その他これらに準ずる書類。

3つの区分の詳細

1.電子帳簿等保存とは  パソコンなどで電子的に作成した国税関係帳簿書類の電子保存を認めるものです。  会計ソフトなどにより作成した「帳簿」「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」については、一定の要件 (※1)を満たしたときに、電子データ保存が可能です。    ※1 一定の要件  ・システムの説明書やディスプレイ等を備え付けていること。  ・税務職員からのデータの「ダウンロードの求め」に応じることができること。  ★データで保存できる帳簿は、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)に従って作成されている帳簿にかぎります。  ★一定の帳簿を添削削除履歴が残るなどの「優良な電子帳簿」の要件を満たして保存していれば、過小申告加算税の軽減措置の 適用を受けることができます。(あらかじめ届出書を提出している必要があります)    2.スキャナ保存とは  決算関係書類を除く国税関係書類(取引先から受領した紙の領収書・請求書等)を一定の要件 (※2)のもとスキャ ンし、電子データ保存を認めるものです。  紙で受領また発行した書類を、紙のまま保存することも、一定の要件のもとスキャナ保存することも、任意の方法 で選んで保存することが可能です。スキャナ保存をした場合は、紙の書類は処分することができます。  また、スキャナでのスキャンだけはなく、スマートフォンやデジカメでの撮影で保存することもできます。    ※2 スキャナ保存・電子保存の要件  ・タイムスタンプの付与。(入力期間は最長約2か月と概ね7営業日以内)  ・検索要件「取引年月日・取引金額・取引先」の確保、など。    3.電子取引データ保存とは  注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などを紙ベースではなく、電子データでやりとりを行った場合 の電子保存について定めたものです。  一定の要件のもとデータで保存することが義務付けられ、電子取引されたデータは電子データのまま保存しなくて はなりません。受け取った場合だけではなく、送った場合にも保存する必要があります。例えば、これまでは電子 メールに添付されていたPDF形式の請求書を紙に印刷して保存していた事業者は、電子取引データの保存要件(※  3)を満たす形式で電子データのまま請求書を保存しなければなりません。  電子データを一定の要件のもとデータ保存をしていれば、紙での保存を併用しても問題ありません。    ※3 電子取引データの保存要件  ・システムの説明書やディスプレイ等を備え付けていること。  ・ 「取引年月日、取引金額、取引先」で検索できる必要がある。  ・改ざん防止のための措置(タイムスタンプや事務処理規定)をとること。  ★保存するファイルの形式は問われない為、PDFに変換したものやスクリーンショットでも問題なし。  ★基準期間(2課税年度前)の売上高が「5,000万円以下」の保存義務者は検索機能が不要。  ★改ざん防止の措置を取れなくても、所轄税務署が相当の理由があると認め、税務調査の際に電子取引データのダウンロードの  求め・プリントアウトした書面の提示に応じることが出来れば、問題なし。

[参照] ・国税庁:電子帳簿保存法が改正されました

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf


・国税庁:電子帳簿保存法のポイント!

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0023007-095.pdf


・国税庁:電子帳簿保存法の内容が改正されました

~令和5年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要~

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0023003-082.pdf



 

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