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コラム

2024年5月24日

不正競争防止法等の一部を改正する法律について2
~知的財産手続等の整備と国際的な事業展開に関する制度整備~

「不正競争防止法等の一部を改正する法律」の主な改正項目は3つ

①デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化

②コロナ渦・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備

国際的な事業展開に関する制度整備



今回は②と③について、みていきましょう。



②コロナ渦・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備


1.送達制度の見直し

在外者へ査定結果等の書類を郵送できない場合、公表とインターネットを通じた送達制度を整備。


2.書面手続のデジタル化等のための見直し

特許等に関する書面手続のデジタル化、商標の国際登録出願における手数料一括納付等を可能とする。


3.手数料減免制度の見直し

中小企業の特許に関する手数料の減免について、一部件数制限を設ける。




③国際的な事業展開に関する制度整備


1.外国公務員贈賄に対する罰則の強化・拡充


・自然人及び法人の法定刑を引上げ


【自然人】

従 来

罰金:500万円以下 懲罰:5年以下

改正後

罰金:3,000万円以下 懲罰:10年以下

【法人】

従 来

罰金:3億円以下

改正後

罰金:10億円以下



・日本企業の海外での単独贈賄行為について、外国従業員の処罰対象の明確化

従 来

日本人のみ処罰対象(属人主義)。外国人従業員による単独行為は対象外

改正後

従業員の国籍を問わず処罰可能とする

*従来、改正後ともに日本国内での贈賄行為は、国籍問わず(属地主義)




2.国際的な営業秘密侵害事案における手続の明確化

従 来

刑事訴訟(懲役・罰金):海外での侵害行為も処罰可能(国外犯処罰)

民事訴訟(差止・損害賠償):日本の法律に基づき裁判を受けられるのか、事案によっては不明確

改正後

刑事訴訟:従来通り

民事訴訟:日本国内で事業を行う企業の、日本国内で管理体制を敷いて管理している営業秘密であれば、海外での侵害行為も日本の裁判所で日本の不競法に基づき提訴できる旨を明確化

*ただし、「専ら海外事業にのみ用いられる営業秘密」の場合は、従来と同様に「民事訴訟法」「法の適用に関する通則法」に基づき裁判所が判断する。


〔参照〕 経済産業省:不正競争防止法等の一部を改正する法律【知財一括法】の概要

https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/r5kaisei06.pdf






 

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