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コラム
2026年7月17日
第1回マンション関係法の改正について(全4回)
近年、区分所有建物(マンション)では、ある社会問題が起きています。
この問題を解決するため令和7年マンション関係法が改正され、その中核となる改正区分所有法が令和8年4月から施行されています。
この改正はマンション管理に関する意思決定をスムーズに効率的に行うこと、また建物の再生をより推進することを目指して整備されました。
今回は、この改正に至る背景について解説します。
【マンションをめぐる改正の背景】
“2つの老い”と呼ばれている、「建物の老朽化」と「所有者の高齢化」によるマンション管理の機能不全の増加が、この改正を促した根本的要因です。
【建物の“老い”】「建物の老朽化」とは
国土交通省によると、全国のマンションストックは約713戸(2024年時点)とされています。そのうち148万戸以上が築40年以上の分譲マンションであり、その数は10年後には2倍、20年後には3.3倍になるといわれています。
これが「建物の老朽化」です。

老朽化が進むと、外壁剥落などの危険や、修繕・改修の必要性が高まってきます。建物の品質や価値を見直すために大規模修繕や立て替え、リノベーション等の大きな決断が必要な場面も増えてきます。
【人の“老い”】「所有者の高齢化」とは
前述の築40年以上のマンションのうち、世帯主が70歳以上である住戸が5割以上を占めています。
築年数の古いマンションほど70 歳以上の割合が高い傾向があるとされています。
これが2つ目の「所有者の高齢化」です。

国土交通省の永住意識調査によると、現在居住するマンションで「永住するつもりである」と回答した区分所有者の割合が60.4%(令和5年調査)であり、今後も建物の築年数と居住者の高齢化は密接に関係していくと予想されます。
高齢化が進むと、決議に必要な総会への十分な出席数が確保できなかったり、管理組合役員の担い手不足が発生します。また、所有者の死亡による相続後の空き家化や、投資目的での所有による所有者の非居住化も増加した結果、連絡のつかない所在不明所有者が増えたことも問題になっています。
【“2つの老い”が直面した改正前の問題点と変更点】
「建物の老朽化」と「所有者の高齢化」によるマンションの管理・修繕・建替えの意思決定フローの停滞を改善するため、改正法では「管理の円滑化」「建物の再生を促す円滑化」が図られ、マンション管理・再建のためのよりスムーズな意思決定ができるようになりました。
例えばマンションの共用部分が老朽化により危険な状態になり、修繕の判断が必要になった場合、「特別決議」が必要になります。しかし「特別決議」は、高齢のため総会に参加できない人や非居住の所有者、総会に無関心な層、所在・生死不明の所有者等を含むすべての区分所有者数及び議決権の4分の3の賛成が必要でした。
しかし改正法では、多数決の母数に“総会に参加しない所有者”を含まず、出席者(委任状や決議権行使書により決議権を行使した者を含む)をベースとした決議が可能になります。
次回はこの【特別決議における多数決要件の見直し】についてさらに解説します。
(参照)法務省:老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について
報道発表資料:高経年マンションに居住する70 歳以上の世帯主が半数以上に<br>~令和5年度マンション総合調査結果(とりまとめ)~ - 国土交通省
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