top of page

2026年8月21日

第2回マンション関係法の改正について(全4回)

近年の区分所有建物(マンション)が抱える社会問題、建物の老朽化と所有者の高齢化という“2つの老い”によるマンション管理問題を解決するため、マンション法が改正されました。

第1回では法改正に至った背景について解説しましたが、今回は「管理の円滑化」「建物の再生を促す円滑化」を図るための変更点の中から、その一つである【特別決議における多数決要件の見直し】について解説します。


【特別決議とは】

特別決議とは、管理規約の制定や変更・廃止、共有部分の階段をエレベーターに変更する等の著しい変更、義務違反区分所有者に対する訴訟提起の決定などが該当します。

対する普通決議は、損害保険契約や予算案・決算等の承認、共有部分の階段にスロープを付ける等の軽微な変更等の程度の事項が該当します。

特別決議は普通決議と比べてより区分所有者の権利や義務に影響のある、重要な事項の決定に用いられるため、可決により高い基準が設けられています。


【改正前の特別決議における多数決要件】

法改正以前、特別決議で議案を可決させるには、全区分所有者数及び議決権(専有部分の持分に応じた権利)の4分の3の賛成が必要でした。

この母数には、すべての区分所有者が含まれるため、総会に参加できない人や非居住の所有者、総会に無関心な層、所在・生死不明の所有者も算入されます。

そうすると、総会の出席者が賛成していても、欠席者の割合次第で否決になってしまうことも起こり得ます。


【「管理の円滑化」法改正により見直された特別決議の多数決要件】

法改正によって見直された特別決議の多数決要件では、まず総会開催のための定足数が、「区分所有者及び議決権の過半数」とされましたが、所在不明区分者を裁判所の認定によりこの母数から除外することが可能になりました。また、委任状や議決権行使書での参加も出席と認められます。

その上で「出席した区分所有者及び議決権の4分の3の賛成で可決」と改正されました。


この多数割合「4分の3」は、共有部分の耐震性や安全性の不足のおそれがある瑕疵の場合や、給排水管等の腐食等著しく衛生上有害となるおそれがあるとき、さらにバリアフリー化のために必要な設備の設置・変更については、3分の2まで引き下げ緩和することができると定められました。



マンション管理において「建替え」や「一棟リノベーション」等も、マンションの価値を高め安心して暮らすためのひとつの重要な選択肢です。区分所有者にとっても大きな決断の一つとなります。

次回は「建替え決議」等の「建物の再生を促す円滑化」の推進をはかる改正ポイントについて、解説します。





弁護士法人谷井綜合法律事務所では、クライアントの立場に立った法律相談を行っております。

ご相談はこちらから > お問合せ | 谷井綜合法律事務所

bottom of page